2025.04.25
⁻『勇気(800字・時間60分)』
看護系の入試では、医療や福祉に関する内容だけでなく、人間の本質や心の在り方を問うようなテーマも出題されます。今回のテーマは「勇気」。誰もが耳にしたことのある言葉ですが、いざ800字で書くとなると、「どこからどう書けばよいのか分からない…」という受験生も多いのではないでしょうか。
本記事では、「勇気」という言葉の意味から、日常や仕事の中での具体例、さらには小論文の構成のヒントまで、しっかりとまとめています。看護師をめざす人にとって、「勇気」とはどう向き合うべきものかを一緒に考えていきましょう。
●勇気とは |
「勇気」とは、恐れや不安がある中でも、自分の信じる行動を選び取る心の力です。辞書には「困難や危険を前にしてもひるまずに立ち向かう強い心」とありますが、これは決して大げさな場面だけの話ではありません。 むしろ、日常生活の中には“小さな勇気”がたくさんあります。他人に謝る、苦手な人と話す、新しいことに挑戦する…。そうした一歩一歩が、「勇気」の積み重ねなのです。
●日常生活の中の「勇気」 |
例えば、クラスでの発言。人前で話すのが苦手でも、「伝えたい」と思って手を挙げた経験がある人もいるでしょう。あるいは、自分の意見が周りと違っていたけれど、あえてその意見を伝えたとき。こうした瞬間には、誰しもが勇気を必要としています。
また、進路を決めるときも「本当にこの道でいいのか」と悩むことがあります。そんなときに、自分の気持ちに正直になって選択することも、立派な勇気です。
勇気とは、他人に認められるような大きな行動ばかりではなく、自分の中の“迷い”や“恐れ”に向き合う力でもあるのです。
●働く上での「勇気」 |
看護師という仕事には、想像以上に多くの勇気が求められます。
たとえば…
・患者さんに、冷静かつ的確に対応する勇気
・医師や上司に対しても、患者のために意見を述べる勇気
・看取りの場面で、ご家族と向き合う勇気
これらはすべて、知識や技術だけでなく、「人間としての力」でもあります。 また、患者さんにとっても、治療や手術に臨むことは大きな勇気のいることです。その姿を近くで見守り、支える立場にある看護職こそ、「勇気とは何か」を深く理解しておく必要があるのです。
●勇気を支えるもの |
勇気だけでは、行動には結びつきません。勇気の“背中を押す存在”として、次のような要素が重要です。
・信念:自分が正しいと信じること
・思いやり:誰かを大切に思う気持ち
・覚悟:結果を受け入れる心構え
・知識と経験:状況判断を支える土台
特に看護師の場合、「患者さんのため」という“誰かへの思いやり”が行動の原動力になることが多いです。人のために動くとき、人は驚くほどの勇気を発揮できるのです。
●小論文を書く際のポイント |
勇気を振り絞った経験は誰にでもあるでしょう。「私には勇気なんてない」と思っている人も、きっと過去を振り返れば、小さな勇気を出した経験があるはずです。誰かに謝った、苦手なことに挑戦した、夢をあきらめずに努力した…。
そうした経験を小論文に書くときは、「どんな場面で」「どんな迷いや葛藤があり」「どのように勇気を振り絞ったのか」「その結果どうなったのか」までを丁寧に振り返ると、説得力のある文章になります。
「勇気」について書く際のポイントは以下のとおりです。
・自分の体験を具体的に書く・・・誰かの話よりも、自分の経験の方が読んだ人の心に響きます。
・勇気の定義を最初に述べる・・・「自分にとって勇気とは何か」を明確に書くことで、文章に芯が生まれます。
・看護職とのつながりを意識する・・・「看護師として勇気が求められる場面」に触れることで、志望理由とも自然に結びつきます。
・単なる感情ではなく、行動としての勇気を書く・・・勇気は「思った」だけではなく、「行動に移した」ときに初めて評価されます。
●まとめ |
勇気は「人を支える力」に変わる
勇気とは、自分の中の不安や恐れに立ち向かう力です。そしてその勇気は、人を支えたり、誰かの人生に寄り添ったりするとき、大きな意味を持ちます。 看護の現場は、常に決断と行動の連続です。勇気がなければ前に進めない瞬間が必ずあります。
しかし、勇気は特別な人だけが持っているものではありません。誰の中にも、すでにあるのです。 自分の経験や思いを丁寧に振り返り、「あなたにとっての勇気」を自分の言葉で表現できれば、きっと伝わる小論文になるはずです。
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