2025.04.25
⁻『あなたの勉強する環境を整えてください。(指示にしたがって教室の机を片付ける)』
看護学校の入試というと、小論文や面接が注目されがちですが、実際には“実技試験”が行われることもあります。
今回は、ある看護学校で実際に行われたという実技試験「あなたの勉強する環境を整えてください(指示にしたがって教室の机を片付ける)」について取り上げます。一見シンプルに思えるこの課題ですが、実は多くの“評価ポイント”が隠れています。
「机の上を片付けるだけでしょ?」と軽く見ずに、しっかりとした心構えで挑むことが大切です。
●試験では何が行われるのか |
試験会場の教室に入ると、あなたの机の上やまわりが少し散らかっている状態に。教科書、ノート、紙くず、ペンなどがあちこちに置かれていたり、イスが少し斜めになっていたりすることもあります。
「あなたの勉強する環境を整えてください」とだけ指示され、数分の時間が与えられます。その中でどう行動するかが評価の対象になります。
●試験官は何を見ているのか |
実技試験は「整理整頓の力を見たい」というだけのものではありません。以下のような点を総合的に見られていることが多いです。
・医療職に必要な衛生意識
机の上が清潔であることは、実際の医療現場にも直結します。雑に片付けるだけではなく、「清潔さ」まで意識できているかどうかが評価されることもあります。
・段取り力や効率性
時間が限られている中で、どこからどのように片付けるか。必要なものと不要なものを見極めるスピードや順番も見られています。
・他人を思いやる姿勢
「次に使う人のことを考えて行動できるか」は、まさに看護職に必要な視点です。片付けをする際も、自分だけでなく他者の立場に立って行動することが求められます。
●実際にあった印象的なエピソード |
ある看護学校の先生から伺った、実際の試験中のエピソードをご紹介します。
・NG例:すべてゴミ箱に投げ入れた受験生
教科書もノートも紙くずも、何もかもをまとめてゴミ箱に“えいっ”と投げ入れた受験生がいたそうです。たしかに机の上は一瞬で片付きますが、判断力と配慮に欠ける行動として、当然ながら不合格。
・高評価例:雑巾で机を拭いた受験生
机の片付けを終えた後、教室の隅にあった洗面台に掛けられていた雑巾を見つけ、水で絞って机の上を拭いた受験生もいたそうです。この行動は試験官も予想していなかったとのことですが、「自分が使う場所を清潔に整えようとする心構え」と「周囲への気配り」が高く評価されました。
こうしたエピソードからも分かるように、“与えられた環境でどう考え、どう行動するか”が実技試験の大きなポイントになっています。
●看護職にとって「整理整頓」は命を守る行動 |
医療現場では、ベッドサイドやナースステーションなど、限られたスペースで効率的に動くことが求められます。器具の配置や物品管理が適当だと、命に関わるミスにつながることも。
だからこそ、入学前から“整理整頓の意識”を持っているかが重視されるのです。 また、「清潔を保つ」ことは感染予防の基本。机の上をきれいにするという小さな行動の中にも、看護職としての基本姿勢が現れるのです。
●事前にできる準備 |
この実技試験は事前に練習しにくい内容かもしれませんが、普段の生活習慣が反映されやすい試験です。 勉強スペースをこまめに整理する習慣をつける 自分以外の人が次に使うことを意識する 片付けと清掃をセットで考える こうした意識を普段からもっておくことで、当日の試験でも自然に体が動くようになります。
●まとめ |
──小さな動作に表れる「看護の心」
今回の実技試験のように、ほんの数分の作業の中にも、看護職としての「気づき」「配慮」「清潔意識」「段取り力」など、多くの資質が現れます。 受験生の皆さんは、こうした試験があったとしても動じないよう、日々の生活の中に「看護の基本」を取り入れていきましょう。たとえ雑巾が目に入ったとしても、「使うべきかどうか」「使ってもいいか」を考える冷静さと行動力、そして他者の視点に立てる優しさをもって行動できれば、それが高く評価されるのです。
整理整頓は、単なる“きれい好き”ではなく、“看護の入り口”でもあります。丁寧な所作が、あなたの魅力をそっと引き出してくれることでしょう。
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