2025.04.18
⁻『自分が使えるメモ用紙を10枚以上作ってください。(大きい紙とハサミが渡され、指示書きにしたがって3分間で作業する)』
看護学校の入試では、筆記試験や面接だけでなく、実技試験が課されることがあります。その中でもちょっと意外でユニークなのが「自分が使えるメモ用紙を10枚以上作ってください」という課題。大きい紙とハサミが渡され、指示に従って3分間で作業するというシンプルな内容ですが、実は奥が深い試験です。
今回は、この試験のねらいや、うまく対応するためのコツについて解説していきます。
●この実技試験の目的 |
一見すると、ただ紙を切っているだけのように見えるこの試験。ですが、そこには「自分が使えるメモ用紙=他人にも使いやすいメモ用紙を作れるか」という、看護師としての気配りや思いやりを問う深い意図が隠されています。
看護の現場では、観察記録や申し送りなど、メモを取る場面が日常的にあります。ただ自分さえ読めればいい、という姿勢では通用しません。相手の立場に立ち、見やすさや使いやすさを意識することが重要です。 この試験では、そうした「配慮する力」を見ていると考えて良いでしょう。
●試験官は何を見ているのか |
この実技試験では、以下のようなポイントが評価対象になります。
・丁寧さ・几帳面さ・・・紙の大きさが不揃いだったり、ガタガタだったりすると、やや雑な印象になります。
・巧緻性・・・細かい作業を正確にできるかどうか。将来的に注射や採血などの場面にも通じる力です。
・作業の速さと段取り力・・・限られた3分間で10枚以上作るには、最初にサイズ感や手順をしっかり計画する必要があります。
・他人への配慮・・・「自分が使うメモ用紙」という名目ですが、実際には「他の人が見ても気持ちよく使えるか」が重要なポイントです。
看護の現場では、常に相手のことを思って行動する力が求められます。この作業を通して、あなたが「誰かのために働ける人か」が見られているのです。
●実技に臨むにあたって |
この課題に取り組む際のポイントをまとめておきましょう。
・落ち着いて作業する・・・焦ると雑になりがちです。まずは深呼吸して、手順を整理しましょう。
・紙の大きさを計算する・・・行き当たりばったりで切るのではなく、「このサイズなら縦に何等分、横に何等分できるかな?」と、頭の中で計算してから作業に入りましょう。
・切りやすい順番を意識する・・・最初に全体を半分、その後さらに半分、というように効率的な順序で作業を進めると、スムーズに進みます。
・左利きの人は申告を・・・もし左利きで右利き用のハサミしか用意されていなかったら、「左利きなのですが、左手用のハサミはありますか?」と伝えることも大事な行動です。看護の現場でも、自己申告と確認はとても重要です。
・使いやすさの工夫・・・少し丸みを持たせる、端を揃える、紙が飛び散らないようにまとめておくなど、「誰かがこのメモを使うとしたらどうだろう?」と想像する力も発揮しましょう。
●まとめ |
このような実技試験には、「観察力」「計画力」「気配り」「実行力」といった、看護師としての素養が詰まっています。 ただの作業に見えても、そこには深い意図があります。
「自分が使うためのメモ用紙」を、誰が見ても使いやすくなるように仕上げる――それはまさに、相手を思いやる看護の基本姿勢そのものです。 技術だけでなく、心の準備もして実技にのぞみましょう。
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