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2025.04.14

看護大学・看護学校の入試のグループ討論で出されたお題(8)『地域で餅つき大会をするかしないか、話し合って決めてください。(7分間)』

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看護大学・看護学校の入試のグループ討論で出されたお題(8)

⁻『地域で餅つき大会をするかしないか、話し合って決めてください。(7分間)』

地域で「餅つき大会」をするかしないか――

看護学校や看護大学の入試では、「地域との関わり」や「協調性」を問うグループ討論が行われることがあります。
今回ご紹介するのは、その一例として実際に出題された「地域で餅つき大会をするかしないか、話し合って決めてください(7分間)」というお題。いかにも素朴なテーマに見えますが、背景には社会の変化や地域課題が詰まっています。

本記事では、グループ討論のテーマとして「餅つき大会」がなぜ選ばれるのか、どのような観点で話し合えばよいか、考え方のヒントをまとめていきます。

●グループ討論の意図と見られているポイント

このような討論の場では、特定の「正解」は存在しません。試験官が見ているのは、自分の意見を持っているか、他者と協調できるか、社会の現状を理解しているか、といった点です。

「餅つき大会をする・しない」の話題は、イベントという身近な題材を通して、地域とのつながり現代の社会的課題についてどう考えるかを探るテーマでもあります。

●餅つき大会が減っている理由

かつては年末年始の恒例行事だった餅つき大会ですが、近年は各地で中止や縮小が続いています。その背景には次のような理由があります。

・感染症の影響
コロナ禍以降、食べ物を扱うイベントの開催には慎重さが求められるようになり、特に「みんなで餅をつく」という行為に不安を感じる人も。
・地域コミュニティの希薄化
近所づきあいや地域活動への参加意欲が低下し、準備や運営の担い手が減っているのが現状です。
・共働き家庭の増加
休日は家族で過ごしたいという考えから、参加を希望しない家庭も多くなっています。
・娯楽の多様化
昔ながらの行事よりも、個人の趣味や娯楽を優先する傾向があり、参加者のモチベーションが下がりがちです。
・高齢化と若者の減少
地域に若者が少なく、イベントを支える層が高齢者中心となってしまうと、継続が難しくなります。
・経済的な負担
近年のコメの価格高騰も無視できません。参加無料の餅つき大会であれば、材料費が運営側の負担になります。

ちなみに、農林水産省のデータによると、日本の餅の消費量は年々減少傾向にあり、若年層ほど食べる機会が少ないという結果も出ています。

●「やる」「やらない」の理由

餅つき大会を「やるべき」という意見には、以下のような前向きな側面があります。
・地域のつながりを強める
・子どもたちに季節行事を体験させる機会になる
・世代間交流が生まれる
・災害時の炊き出しスキルにもつながる


一方、「やらない(または形を変える)」という意見にも納得の理由があります。
・感染症対策が不十分だとリスクがある
・人手・予算・食材確保が難しい
・若い世代の関心が薄い
・時代に合った新しい地域イベントに移行した方がよいかもしれない

●討論では何を意識すればよいか

こうしたグループ討論では、「どちらの意見にも一定の理屈がある」と認めながら、自分の立場や考えを明確に述べることが大切です。相手の話を否定せず、取り入れながら議論を進める姿勢が評価されます。
たとえば、

「感染症対策を万全にしながら、規模を縮小して開催するのはどうか」
「餅つきに代わる地域行事を検討してもよいのでは」

などの折衷案代替案を出せると、柔軟な視点を持つ受験生だと伝わります。

●まとめ

餅つき大会のような一見のどかなテーマも、背景には社会の現状や課題が複雑に絡んでいます。
看護職をめざす上で、「地域とどうつながるか」「多様な世代とどう関わるか」を考える良い機会と捉え、討論に臨んでみましょう。

自分の意見に根拠を持ち、他者の意見にも耳を傾ける。その姿勢こそが、看護師としての素養にもつながっていくのです。

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