2025.04.08
⁻『先進医療と倫理について(800字・時間90分)』
医療の進歩は目覚ましく、私たちが想像もしていなかったような治療が次々と現れています。そんな中で問われるのが、“技術”と“倫理”のバランス。
今回の小論文のお題は、まさにその両面を見つめ直すきっかけになります。どう書けばよいか迷う方のために、ポイントをわかりやすく整理してみました。
●先進医療とは |
「先進医療」とは、厚生労働省が定める制度のひとつで、まだ公的医療保険の適用がない最先端の医療技術を指します。
たとえば、がんの重粒子線治療やロボット支援手術、再生医療、遺伝子治療などがその一例です。こうした医療は科学の進歩とともに日々発展しており、従来では治らなかった病気に対する新しい希望をもたらしています。
ただし、こうした先進的な治療は、すべての人が簡単に受けられるわけではなく、高額な費用や技術面・安全性に関する課題が残されていることも事実です。
ここで重要になるのが「医療倫理」の視点です。
●小論文を書く際のポイント |
このテーマで小論文を書くときに大切なのは、「技術の進歩は素晴らしい。でも、それだけでは終わらない」という視点を持つことです。
たとえば、再生医療で人の臓器を人工的に作ることができるようになったとします。それは命を救う手段になりますが、「どこまでが人の手で許されるのか?」という倫理的な問いも生まれます。また、治療を受けられる人と受けられない人の差が拡大すれば、「医療の公平性」が問われることにもなります。
患者さんの人権を守り、思いやりのある医療が提供されるためには、「技術だけでなく、気持ちの部分も大事」という考え方が必要です。こうしたバランス感覚が、小論文の中でも求められるのです。
●書きづらい人へのアドバイス |
このテーマは、一見難しく感じるかもしれません。「先進医療」や「医療倫理」と言われると、専門的な知識が必要に思えてしまいますが、決してそうではありません。
たとえば、「もし自分の家族が新しい治療を受けるかどうか選ぶ場面にいたら?」と想像してみましょう。治るかもしれない希望と、副作用のリスク、その治療にかかるお金や手間、気持ちの準備…。そんなことを家族で話し合うとき、どんな気持ちになるか。それが「倫理」を考える第一歩です。
また、「どんな未来の看護師でありたいか」を最後に書くと、文章全体がぐっと締まります。先進医療に携わるには、知識や技術だけでなく、患者さんやご家族に寄り添う心が必要です。将来は、そんな看護師を目指したいという思いを書き添えてみましょう。
●まとめ |
医療がどれだけ進歩しても、その先にいるのは「人」です。最先端の技術を扱うからこそ、より深い「思いやり」や「いのちの重みを理解する心」が必要になります。入試で出されたこのテーマは、「あなたはどう考え、どう行動する人なのか?」ということを試す問いでもあります。
難しく考えすぎず、自分の言葉で「未来の看護師として大切にしたいこと」を丁寧に書いてみてくださいね。きっと、読む人の心に届く文章になりますよ。
看護予備校、准看護予備校を選ぶなら京都・大阪・滋賀・兵庫から通いやすいアルファゼミナール