2025.04.07
⁻『小児病棟で長期入院をしている子供たちにイベントを開きます。どのように企画しますか?最後にまとめて代表者が発表してください。』
このテーマは、子どもたちにとってどんな時間が「楽しい」と感じられるか、そしてその「楽しさ」をどのように形にしてあげられるかを、医療職を目指すみなさんに問う課題です。
病院という場所は、どうしても「がまん」や「さびしさ」と隣り合わせになりがち。でも、そんな中でも笑顔になれるひとときがあることで、子どもたちは少しでも心が軽くなり、治療への前向きな気持ちを持てるようになります。
この課題では「看護師としての視点」だけでなく、「ひとりの人間として、子どもの気持ちを想像できるか」が問われています。
●小児病棟で過ごす子どもたちについて |
実は、全国の小児入院患者のうち、長期入院(入院期間が30日以上)となる割合は、約1割ほどとも言われています。入院理由は、白血病などの治療を必要とする病気から、事故によるけが、重い感染症などさまざま。平均的な入院日数は病気によって異なりますが、子どもにとって「1ヶ月の入院」はとても長く感じるものです。
入院中の子どもたちは、外で遊ぶことができなかったり、お友達や家族と過ごす時間が限られたり、ストレスや不安を抱えながら毎日を過ごしています。だからこそ、イベントは「心のリフレッシュ」として、とても大きな意味を持つのです。
●グループ討論の進め方 |
この討論では、「どんなイベントがよいか」を考えると同時に、「どう進行するか」も大切になります。
まずはリーダー役や記録係、タイムキーパーを決め、話し合いの流れを作りましょう。そして、イベントを考える際には、次のような観点から意見を出し合うと話が広がります。
・季節に合わせた行事(七夕・ハロウィン・クリスマスなど)
・寝たきりの子も楽しめるような「出張お楽しみ会」や「ビデオメッセージ」
・看護師さんや家族も巻き込めるゲームや工作
・体調に合わせて参加できる「スタンプラリー」や「塗り絵コーナー」
・サプライズで先生たちからの出し物(紙芝居や劇など)
さらに、「みんなで感謝を伝え合うコーナー」や「願いごとを書いて飾るコーナー」など、心の成長にもつながるような演出があると素敵です。
●試験官は何を見ているか |
討論の評価は、「イベントのアイデアそのもの」よりも、「参加者同士のやり取り」に重点が置かれます。誰かが発言していたら最後まで聞く、一人だけの意見を押しつけない、相手の意見を受けてさらに良い案を出す――そういったチームワークや柔軟性が試されるのです。
また、試験官は「子どもの気持ちを想像できる人かどうか」も見ています。
子どもに寄り添うという姿勢は、看護の現場でとても大切な資質の一つです。大人とは違う感覚を持つ子どもたちの目線に立って、「一緒に楽しむ」「心を癒やす」ことを意識して企画してみてくださいね。
●まとめ |
入院している子どもたちにとって、イベントはただの「遊び」ではありません。 それは、病院で過ごす毎日の中での「希望の時間」であり、つらい治療を乗り越えるための「小さな力」になることもあります。
看護師として、こうした子どもたちの気持ちに寄り添うことができる人は、必ず現場で信頼され、患者さんや家族の支えとなれるはずです。
グループ討論では、自分の意見を出すと同時に、他の人の意見を引き出すこと、そして「誰かのために考える力」をアピールしてみてくださいね。
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