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2025.04.07

保健師学校の入試で出た小論文のお題(1)『児童を虐待から守るには(45分)』

小論文『児童を虐待から守るには』の画像 京都の看護予備校アルファゼミナール

保健師学校の入試で出た小論文のお題(1)

⁻『児童を虐待から守るには(45分)』

保健師の学校の入学試験では、必ずと言ってよいほど小論文の試験が課されますが、そのお題の多くは、主に社会問題に関するものです。今回は、この『児童虐待』に関するテーマにどう向き合い、どのように小論文として構成していけばよいかを、実際の入試対策として解説していきます。

●児童虐待の現状

日本における児童虐待は年々深刻化しており、児童相談所への通報件数は右肩上がりに増加しています。厚生労働省の発表によると、令和4年度の児童虐待相談対応件数は21万件を超え、過去最多を更新しました。虐待の種類には身体的虐待、心理的虐待、ネグレクト(育児放棄)、性的虐待などがあり、特に心理的虐待の割合が高くなっています。

虐待が起こる原因は複雑で、多くの場合、親の孤立や経済的困窮、育児不安、精神的な疾患などが背景にあります。
また、親自身が虐待を受けて育った「世代間連鎖」の影響も指摘されています。虐待を受けた児童は心身の成長に大きな影響を受けるため、早期発見・早期対応が重要です。

現在、虐待を受けた児童を保護するために、一時保護所や児童養護施設、里親制度などの仕組みが整備されています。しかし、保護された後の支援や家庭への再統合に向けたサポートの充実が求められています。

●小論文を書く際のポイント

このテーマでは、まず児童虐待の現状を正しく理解していることを示す必要があります。具体的なデータを挙げたうえで、「なぜ児童虐待が起きるのか」「どのような支援が必要なのか」という構造的な問題への理解を示すことが大切です。 その上で、保健師として何ができるのか、自分の考える支援のあり方を述べましょう。

たとえば、
・保護者の育児負担を軽減する地域支援
・母子保健活動を通じた早期発見
・虐待リスクの高い家庭への継続的な訪問支援
・保護者自身の孤立を防ぐための相談体制の強化
など、具体的な施策に触れると説得力が増します。

また、制度や施設に頼るだけでなく、「地域ぐるみで子どもを守る」姿勢や、「虐待する親をただ非難するのではなく、支える視点」も大切な視点となります。

●このお題を書きづらい人へのアドバイス

「虐待」という言葉の重さにとまどい、何を書けばよいかわからないという受験生も少なくありません。その場合は、「なぜ子どもは守られるべき存在なのか」から書き始めてもよいでしょう。 子どもの権利条約や、子どもが健やかに成長することの社会的意義について触れることで、書きやすくなります。
また、自分の身近な体験(たとえば、保育実習や地域ボランティアで見た家族の姿など)を思い出して、それをきっかけに話を展開していくのも一つの方法です。あるいは、ニュースで報道されていた虐待事件から感じた疑問や怒りなどを出発点にして、自分なりの考えを深めていく方法もあります。

●まとめ

このテーマは、単に「かわいそうだから守る」ではなく、児童虐待の背景にある複雑な社会問題に目を向け、どう支援していくかを考えることが求められます。保健師は、地域とのつながりを活かして、家族の孤立を防ぎ、予防的にかかわることができる職種です。

受験に向けては、虐待に関する統計や制度の基本知識をおさえると同時に、「自分ならどう支援するか」という視点を持っておくと、小論文にも説得力が生まれます。

難しいテーマではありますが、保健師としての使命や志望理由とも結びつけやすいテーマです。事前に準備しておけば、本番でも落ち着いて対応できるはずです。
本テーマを通して、あなたが保健師として「子どもと家庭にどう寄り添いたいか」を見つめ直す良い機会になりますように。応援しています!

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