2025.04.05
⁻『あなたは風船配りのアルバイトをしています。あと一つ配ったら終わりのところで子供が二人来ました。どうしたらいいか話し合ってください。(20分間)』
「風船をあと1つ配るときに子どもが2人来たら?」
看護大学・看護専門学校の入試で行われるグループ討論。
今回は実際に出題されたことのあるテーマのひとつ、『あなたは風船配りのアルバイトをしています。あと一つ配ったら終わりのところで子供が二人来ました。どうしたらいいか話し合ってください。(20分間)』というお題について考えてみましょう。
● お題のねらいについて |
このお題、ぱっと見た感じは少しユニークで、「えっ、こんなことで?」と思うかもしれません。ですが、実はこのような一見シンプルだけど白黒の結論が出しにくいテーマは、看護系入試のグループ討論ではよく出されます。試験官は「正解」を求めているわけではなく、受験生がどう話し合い、どう態度を示すか、そして困ったときにどう対処しようとするかを見ています。 また、この「風船が1つしかないのに子どもが2人来る」という状況は、看護現場でも直面する可能性のある「トリアージ」の状況を連想させます。つまり、「目の前の2人に対して、どうやって公平性や納得感を持たせるか」という観点での対応力を問う、お題なのです。
※トリアージとは:災害や緊急医療の現場などで、限られた医療資源を、より緊急性の高い患者に優先的に使うための判断・選別のことです。
●グループ討論の進め方 |
このテーマで実際に練習した生徒さんたちからは、さまざまな意見が出ました。
・「じゃんけんをして勝った子に渡す」
・「年下の子に譲る」
・「もう1人には後で送ってあげる」
・「代わりになるもの(シールや飴など)を探して渡す」
中には、
・「最後の1つはわざと割ってしまって“終わりにする”」
という極端な意見も出ました。これも一つの発想ではありますが、子どもたちの気持ちを考えると、どう感じるかという視点が欠けているかもしれません。
グループ討論では、自分の意見を押し通すよりも、他の人の意見を受け入れつつ、自分なりの考えを丁寧に述べることが大切です。さらに、「時間内にまとまらなかったとしても焦らず、議論の過程を大切にする姿勢」も重要視されます。
●結論の出にくいお題のまとめ方 |
このような結論の出しにくいテーマでは、無理に結論を出す必要はありません。むしろ「皆で納得できる形を探そうとしたプロセス」こそが評価の対象になります。 最後に話をまとめるときは、例えばこんな感じでも構いません。
今回の討論ではさまざまな視点が出ました。どの案も子どもたちの気持ちや公平性を大切にしており、結論を一つに決めるのは難しかったですが、“相手の立場に立って考えること”の重要性を再認識しました。
このように、一人ひとりが相手を思いやる姿勢を持っていること、看護師としての価値観を話し合いの中で示せたことを強調すれば、討論としては十分に良い評価を得られるでしょう。
●まとめ |
看護系のグループ討論では、「考えの違いをどう受け止め、話し合いを進めていくか」が最も重視されます。テーマが一見子ども向けのように見えても、その背後には看護に通じる倫理観や判断力、協調性といった大切な要素が含まれています。 「風船が1つしかないのに2人来た」という場面は、小さなことのようでいて、「限られた資源をどう公平に分配するか」「相手の気持ちをどう受け止めるか」という、医療現場にも通じる深いテーマなのです。
討論本番では、自分の意見を持ちつつも他の人の意見を尊重し、誠実な態度で臨みましょう。そして、結論が出なかったとしても、それは決して失敗ではありません。看護師としての姿勢をどれだけ見せられるかが、何よりも大切なのです。
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